食中毒が治った後にやってくる便秘とは?原因と対策を探っていきます!
2018/08/16
食中毒にかかると、数日間下痢や嘔吐の症状が続きます。
場合によっては発熱を伴ったり、血便が出ることもあります。
しかしその症状もしばらくすれば治まり、また元の生活に戻れるはずですが・・・
実は食中毒の後、便秘になってしまうことがあるのです。
食中毒が治った後にやってくる便秘とは?
食中毒の原因は主に、細菌の食品への混入、化学物質、ふぐや毒キノコなどの自然毒によるものの3種類があります。
この中で一番多いのは、細菌の食品への混入です。
サルモネラ菌やO-157、ノロウィルスなどによる食中毒が、これにあたります。
食中毒の主な症状としては、下痢や嘔吐、腹痛、発熱、血便などが起こります。
食中毒は原因菌の種類によって、潜伏期間や発症期間が異なるので、一概にどの程度で治るとはいえません。
しかし下痢や嘔吐によって、体内に侵入した細菌やウィルスが排出されれば、食中毒の症状は治まります。
しかしここで終わらないのが、食中毒の怖いところです。
食中毒の後遺症ともいえる、便秘になることがあるからです。
それでは、食中毒の後の便秘の原因と対策について、探っていきましょう。
食中毒後の便秘の原因とは?
食中毒の原因菌が、食べ物などに付着して体内に侵入すると、原因菌は腸管内でさらに増殖します。
増殖した原因菌は毒素を生成して、胃腸炎を引き起こします。
この原因菌が作り出す毒は、腸内にもともといる細菌も、死滅させてしまいます。
また人間の体は毒素や原因菌を排除するために、下痢などの症状を起こします。
このとき腸内にいる他の菌も、排出されてしまうのです。
すると腸内細菌の数が激減したり、善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れた状態になり、これが食中毒後の便秘の原因となるのです。
腸内細菌は食べ物を消化吸収するのに、非常に重要な役割を果たします。
人間が消化できないものを、分解して吸収できるようにしたり、ビタミンやアミノ酸などの栄養素を合成したりします。
腸内にこういった役割をする細菌が少ないと、食べたものをきちんと消化吸収できなくなってしまい、便秘の原因となります。
また食中毒など下痢の症状が続いた後は、悪玉菌が増えやすく腸内細菌のバランスが崩れた状態になります。
悪玉菌は腸内に腐敗物を溜め込み、腸の動きも鈍くして便秘の原因となります。
食中毒後の便秘の対策とは?
食中毒後の便秘の対策は、腸内環境を改善していくことが大事です。
それには悪玉菌を減らして、善玉菌を増やしていきます。
悪玉菌が増える要因はいろいろありますが、食生活が与える影響が大きです。
不規則な食生活や暴飲暴食は、悪玉菌を増やす原因になりますので、やめるようにします。
また肉食中心の食事も、悪玉菌を増やす要因になります。
野菜や穀物などもしっかり食べて、バランスの良い食事を心掛けましょう。
そして善玉菌を増やすことが、悪玉菌の抑制へとつながります。
善玉菌を増やすには、ビフィズス菌や乳酸菌を含んだ食品を食べることです。
乳酸菌といえば、ヨーグルトを思い浮かべる人が多いでしょう。
しかしヨーグルトに含まれる乳酸菌は、動物性の乳酸菌であり、熱や酸に弱いという特徴があります。
それに対して、ぬか漬けやキムチなどに含まれる乳酸菌は、熱や酸に強い植物性の乳酸菌です。
きちんと腸まで届けるのなら、植物性の乳酸菌のうほうが優れています。
また善玉菌のエサとなるオリゴ糖を摂取すれば、善玉菌が増えて腸内環境が改善しやすくなります。
オリゴ糖を多く含む食品には、納豆、はちみつ、ニンニクなどがあります。
特に女性には便秘の方が多いので、「たかが便秘」とあまり深刻に捉えない方もいます。
しかし便秘は肌荒れを起こしたり、吹き出物ができたりと、美容にも悪影響があります。
そして便秘が悪化すれば、腸閉塞という怖い病気に発展することもあります。
腸閉塞は命の危険を伴う、とても怖い病気です。
たかが便秘と侮らずに、なるべく早く改善したいですね。
まとめ
食中毒後の便秘は、腸内細菌が死滅したり排出されることで、数が減ったりバランスが崩れることで起きる。
便秘の対策としては、悪玉菌を増やす食生活の乱れや、肉食中心の食事をやめる。
善玉菌を増やすため、ビフィズス菌や乳酸菌を含んだ食品を食べる。