うろこ雲が示す予兆とは?地震の前触れ?雨が降るのか?
2019/11/20
秋になると空に、うろこ雲をよく見かけるようになります。
空一面に広がるうろこ雲を見て、気持ち悪いと思ったことはありませんか?
うろこ雲は地震や雨など、何か悪いことが起きる予兆なのでしょうか?
うろこ雲が示す予兆は地震の前触れ?
大きな地震がくる前には自然現象の中に、何らかの予兆が現れることがあります。
記憶に新しところでは2011年に起きた東日本大震災で、地震が来る前に多くの予兆が目撃されています。
ツイッターなどに投稿された地震の予兆には、以下の様なものがありました。
・空全体が光っているようだった。
・月が赤かった。
・虹が出ていた。
・虹色に染まった雲が出ていた。
・雲が渦を巻いていた。
・変な形の雲が出ていた。
空が光るとか月が赤いとか、虹のようなものが見られる中、雲に関する異常も数多く目撃されています。
この様に大地震が来る前には、地震雲と呼ばれる特殊な形をした雲が、前兆として目撃されることがあります。
そのためうろこ雲も、地震雲の一つだと勘違いしてしまった人が、「うろこ雲は地震の予兆」と言ってしまうことがあるようです。
しかしうろこ雲は、地震雲の一種ではありません。うろこ雲が出ても、地震の予兆ではありませんので、心配しないで下さい。
地震雲の中には、断層型とか帯状型、波紋型、放射状型、肋骨状型など、様々な形があります。
この中の肋骨状型の地震雲は、線状の雲が肋骨の様に並んでおり、うろこ雲とよく似ています。
うろこ雲と肋骨状型の地震雲を、混同してしまっている人もいるのではないでしょうか。
肋骨状型の地震雲の場合は、発生してからすぐに地震が起きることが多いのが、特徴になります。
もしも空に見えていたのが、うろこ雲でなくて肋骨状型の地震雲であったならば、すぐに身の安全を確保したほうがいいでしょう。
地震の前兆として地震雲ができるメカニズムは、まだはっきりとは解明されていません。
しかし今のところ、地殻が変動した時に電磁波が発生し、雲の形成に影響を与えるという説が有力です。
これに対してうろこ雲は、放射冷却により気温が一気に下がることで、氷が結晶化してできます。
放射冷却で一様に冷やされると、細胞状対流が起きて、うろこのような小さな雲の塊が、無数にできるのです。
このように地震雲とうろこ雲は、発生するメカニズムも全く違います。
うろこ雲が地震とは、全く関係ないことが分かります。
うろこ雲が示す予兆は雨が降る前触れ?
うろこ雲が雨が降る予兆になっているというのは、ある程度当たっています。
なぜならうろこ雲は、低気圧の前面に現れることが多いからです。
季節としては秋が一番、うろこ雲が出やすい季節です。
つまり、うろこ雲ができるということは、低気圧が近づいている可能性が高く、2,3日のうちに天気が崩れて、雨が降る可能性が高いのです。
うろこ雲の前に巻雲が出ていた場合は、さらに雨が降る確率が高まります。
巻雲は繊維状の細い雲が、伸ばされたような形の雲です。
巻雲は温暖前線や熱帯低気圧が近づいてきた時に、最初にできる雲です。
ですから巻雲ができた後に、うろこ雲ができていれば、温暖前線や熱帯低気圧が近づいている可能性がより高くなり、雨が降る確率も高くなるのです。
しかし今の時代に、雲を見て天気の予測をするのは、ナンセンスです。
それよりも天気予報を見れば、前線や低気圧の動きを、より詳しく知ることが出来ます。
それにうろこ雲が出たからといって、必ず雨が降るわけではありません。
うろこ雲が出たら、そのうち雨が降るかもしれないと気に留めておき、後は天気予報で天気をチェックするようにしましょう。
うろこ雲といわし雲とひつじ雲の違い
うろこ雲とよく似た雲に、いわし雲とひつじ雲があります。これらの違いは、何なのでしょうか?
下にうろこ雲といわし雲とひつじ雲の写真を、載せてあります。
それぞれ似てはいますが、若干の違いはありますね。以下、それぞれの違いについて、解説していきます。
うろこ雲といわし雲は、どちらも巻積雲の一種として、分類されています。
つまりうろこ雲といわし雲は、同じものと考えていいです。
巻積雲は高度5km~13kmくらいの上層に、小さな雲の塊が、無数に集まっているものです。
その時の感じでウロコに見えたり、イワシに見えたりするので、見た目でうろこ雲と言ったり、いわし雲と言ったりしているだけです。
どちらかと言うと、うろこ雲は小さな丸い雲が、たくさん集まっている感じです。
それに対していわし雲は、イワシのような細長い雲が、たくさん集まっている様に見えます。
そしてひつじ雲は、うろこ雲やいわし雲と違い、高積雲に分類されます。
高積雲は巻積雲よりも低い、高度2~7kmくらいにできて、まだら雲や叢雲(むらくも)と呼ばれることもあります。
ひつじ雲は、うろこ雲やいわし雲に比べると雲の塊が大きく、はっきりとした白色をしているのが特徴です。また下部が、灰色になるという特徴もあります。
まとめ
大きな地震が来る前には予兆として、地震雲と呼ばれる特殊な形の雲が、観測されることがある。
しかし、うろこ雲は地震雲の一種ではないので、地震の予兆ということはない。
地震雲の中には、肋骨状型のうろこ雲によく似た形の物があるので、勘違いしている人もいる。
うろこ雲が出ると、前線や低気圧が近づいていることがあり、雨が降る予兆となることがある。
うろこ雲といわし雲は、同じ巻積雲に分類され、ひつじ雲は高積雲に分類される、違う種類の雲である。