節分にいわしの頭と柊を飾る意味は?作り方飾り方や地域による違い
2019/05/23
節分になるといわしの頭を柊の枝に挿して、家の玄関に飾ってあるのを見ることがあります。
このいわしと柊には、一体何の意味があるのでしょうか?
またいわしの頭と柊の飾りの作り方・飾り方や、地域による違いについてもまとめています。
節分にいわしの頭と柊を飾る意味は?
節分に飾られるいわしの頭に柊の枝を刺した物は、正式には柊鰯という名前があります。
柊鰯を節分に家の玄関に飾る意味は、魔除けのためです。
豆まきをして鬼を追い払うのと、同じような意味があります。
いわしの頭が魔除けに使われる理由は、いわしの臭いにあります。
いわしのような臭いのきつい魚には、魔除けの効果があります。
鬼はいわしの臭いを嫌って、玄関から家の中に入ってこれなくなるのです。
そして柊にも、葉っぱの鋭いトゲによって、魔除けの効果があります。
柊の葉っぱは、植物の中でも特に鋭く尖っています。
柊のトゲは鬼の目を挿すと言われており、鬼はそれを恐れて家の中に入ってこれなくなります。
なぜ節分にいわしの頭と柊を飾って魔除けをするのかは、旧暦では節分が新しい年の始まり、つまりお正月にあたるからです。
新しい年を迎えるにあたって、いわしの頭と柊で邪気を追い払い、福を呼び込み平和な1年が過ごせるようにと、願う風習なのです。
節分で言う鬼というのは邪気のことで、人間に病気や災いをもたらす悪い気のことです。
風邪にも「邪」という漢字が、使われています。
昔の人は、鬼(邪気)を追い払うことで、病気をせず健康に過ごすことが出来ると信じていたのです。
節分のいわしの頭と柊の飾りの作り方・飾り方
節分のいわしの頭と柊の作り方と、飾り方について説明します。そ
れほど難しくはないので、こんどの節分には、柊鰯を飾られてみてはいかがでしょう。
まずは、イワシを用意します。
いわしは柊の枝が刺しやすいように、やや大き目のものを選びましょう。
そしていわしを焼くことで、煙により臭いを拡散させます。
この煙にも、魔除けの効果があるのです。
イワシの身の部分は、食べてしまってかまいませんので、頭の部分だけを取っておきます。
(地域によっては骨も付けたままにします)
柊の枝は、必ず葉っぱの付いたものを用意します。
柊はお花屋さんなどに売っていますが、節分の季節になればスーパーやホームセンターでも、取り扱っているところがあります。
柊の葉っぱのトゲは、触ると怪我をすることがあるので、取扱には気を付けて下さい。
そして柊の枝をいわしの頭のエラの部分から、目玉を貫通するように刺して出来上がりです。
柊の枝がうまく刺せない場合は、箸などを使って先にいわしの頭に穴を開けておくと、上手く刺せます。
後はこれを家の玄関に飾って、鬼(邪気)が家の中に入ってこないようにします。
玄関以外の間口や、鬼門となる艮の方角(北東)に飾るのも、魔除けになります。
柊鰯を飾る時期は、節分の前の1月中旬ぐらいから飾り始めます。
外す時期は、特に決まりはありません。
節分が過ぎたら外してしまっても良いのですが、魔除けの意味があるので、1年中飾っておいても大丈夫です。
節分のいわしの頭と柊の飾りの地域による違い
節分のいわしの頭と柊の飾りが、一般に広まったのは江戸時代の頃で、日本全国で風習として残っています。
しかし柊鰯は地域により、若干の違いがあります。
まず西日本一円では節分いわしと言って、節分にいわしを食べる風習があります。
そしていわしの頭と柊を飾る風習も、多くの家で受け継がれています。
これが東京近郊になるといわしの頭と柊に、大豆の枝から種子を取り除いた豆柄を加わえて、玄関に飾る風習があります。
いわしの他にもニンニクやラッキョウなど、臭いのキツイものを使って、鬼を追い払う地域もあります。
まとめ
節分に柊鰯を飾る家も、年々減って来ているような気がします。
豆まきなども、小さいお子さんのいるご家庭以外では、やらない家も多いようです。
このような節分の風習が、だんだん無くなってしまうのも寂しいものです。
柊鰯は自分で作ろうと思うと、ちょっとめんどくさいかもしれません。
しかし最近は模造品ですが、すでに出来上がった物も売っているので、そういった物を利用するのもいいでしょう。
何らかの形で、後世に受け継いていきたいものです。