熊に遭遇したらどうすればいいのか?もしもの時の対処法まとめ
2020/03/16
熊と遭遇したり襲われたというニュースを、最近頻繁に聞くようになりました。
自然環境の変化により、今後もまずます熊と遭遇する危険は、高まっていくのかもしれません。
ここでは、そんなもしも熊に遭遇したの時の対処法などをまとめています。
熊に遭遇したらどうすればいいのか?
ヒグマとツキノワグマの2種類の熊が、日本には生息しています。
ヒグマは冷涼な環境を好み、北海道に生息しています。
ツキノワグマは温暖な環境を好み、本州以南に生息しています。
熊は本来臆病な性格で、あまり人に近づかないというのは、一昔前の常識です。
最近では人を怖がらずに、人里に出没する熊は珍しくありません。
民家周辺に出没した熊が、人と遭遇しても逃げようとしなかった実例もあります。
その熊を追い払おうとして、爆竹の音で威嚇しても、全く効果がなかったそうです。
もはや熊にとって人間は、怯えるような存在ではないのです。
昔のように音を出していれば、熊とは遭遇しないという考えは、捨ててしまったほうが良いでしょう。
熊が出没するのはいつから?
熊はエサのなくなる冬には、穴の中にこもって越冬します。
この期間が大体、11月中旬から4月下旬です。
熊が穴から出てくるのは、4月中旬から5月上旬になりますが、これも温暖化の影響で、ズレてきているようです。
穴から出てきた熊は、植物の花や若芽など集めて食べたり、雪崩などで死んだ動物の死骸を食べます。
春から夏にかけては、山には山菜がたくさん生え始めるので、熊はそれを好んで食べます。
しかしこの時期に山にエサが少ないと、熊はエサを求めて人里へと出没するようになります。
また前の年にエサが豊作だと個体数が増えて、翌年は人里に熊が出没する危険が高くなります。
通常は、人里に熊が出没するのは夏がピークです。
秋になると山で木の実が実りだし、エサが豊富になるので、山の奥へと戻っていきます。
しかし凶作でエサが不足する年は、人里に出没することが多くなります。
つまり前年やその年の気候の影響で、熊と遭遇する確率も変わってくるのです。
熊を近づけないようにする対策
熊と遭遇する前に、なるべく熊を近づけないようにすることが大事です。
昔は熊よけの鈴などで、音による対策が有効でした。
しかし今は音による対策は、あまり効果が無いようです。
実際に熊よけの鈴をつけていても熊に襲われたり、ラジオを付けながら畑仕事をしていて、熊に襲われたという事例があります。
今の熊は昔ほど、人間を怖がらなくなってきているのです。
ですから熊よけ鈴やラジオをつけると、逆に人間の存在を熊に知らせることになり、危険だという専門家もいます。
小熊の時に親熊が人間を襲っているのを見ると、それで学習してその熊は人間を襲うようになります。
今後はそういった人間を襲う熊が、増えていくことが懸念されます。
熊を近づけないようにする対策としては、犬の鳴き声が有効です。
熊は犬が苦手なので、犬の鳴き声が聞こえてくると、近づいてきません。
実際に熊に襲われた男児を犬が、助けたというニュースがあります。
ただし全ての犬が、熊と戦って勝てるわけではありません。
例えばチワワのような小型犬が熊と戦ったら、とても勝てるとは思えません。
そういう意味では、犬によるクマ対策も万全とは言えません。
また蚊取り線香を使った、ニオイの対策も有効とされています。
しかし風向きによっては、熊のいる方向にニオイが届かないこともあります。
そう考えると、これをやっておけば安心というクマ対策は、ないと思っていたほうがいいでしょう。
ただし蚊取り線香は虫除けにもなるので、山に入るときにはぜひ携帯して下さい。
熊に対する効果は、ないよりもマシ程度に思っていたほうがいいです。
後は民家周辺に熊を近づけないように、残飯や生ごみなど、熊のエサになるものは、捨てないようにして下さい。
熊は一度エサを見つけた場所には、何度も出没するようになります。
熊に遭遇してしまった時の対策
それでも、熊に遭遇してしまった時の対策です。
まずは、熊との距離が大事です。
熊と遭遇しても、ある程度の距離を保っていれば、熊は襲ってきません。
その距離は、約12メートルです。
しかし小熊がいる場合は、その距離が20メートルに広がります。
親熊は子熊を守るために、警戒心が強くなります。
もしも熊に遭遇した場合でも、熊との距離が20メートル以上ある場合は、静かにその場から離れるようにします。
音をたてると感づかれるので、慌てず静かに逃げて下さい。
突然、出会い頭に熊と遭遇した場合は、大声を出したり慌てて逃げてはいけません。
大声を出すことで熊は興奮し、逃げても熊の脚力のほうが高いので、すぐに追いつかれてしまいます。
熊もやたらと、人間を襲ってくることはありません。
殆どは人間が大声を上げたりすることで、興奮状態となり襲ってきます。
ですから冷静になって熊の目を見ながら、「何もしないから安心して」などと熊に話しかけてみて下さい。
そして徐々に声を大きくして、少しずつその場から離れましょう。
どうしても熊に攻撃をしなければならない場合は、熊の弱点である目、鼻、眉間の辺りを攻撃します。
しかし素人がいきなり、熊にパンチをするのは難しでしょう。
できればストックなどの武器を持ち歩き、それで鼻から眉間のあたりを狙って突くようにします。
クマ撃退スプレーなどを持っていれば、それを使うのもいいでしょう。
|
過去にはパンチが熊の眉間にクリーンヒットして、無傷ですんだという武勇伝も聞いたことはあります。
しかしパンチがヒットしなければ、返り討ちに遭っていたことは言うまでもありません。
中途半端に攻撃すれば、逆に熊を興奮させるだけです。
くれぐれも熊と戦って、勝とうなんて思わないで下さい。
それでも熊に襲われてしまったら、致命傷を負わないように体を防御します。熊の攻撃は、長くても約1分です。この間を凌ぎきれば、なんとか生き延びることができます。それには体を丸めて、手で後頭部から頚部を覆い守って下さい。後頭部から頚部と腹部を守れば、致命傷を負わずに済みます。
もしも小熊を見つけたら、側に親熊がいると思って間違いないでしょう。
動物の親は本能的に、何があっても子供を守ろうとします。
小熊は小さく可愛く見えますが、決して近づいてはいけません。
熊と遭遇した時やってはいけないこと
熊と出会ったときに、死んだふりをするなど間違った俗説があります。
熊は死んだ動物の肉も食べるので、死んだふりをすれば逆に食べられるリスクが高まります。
木に登るのも、効果がありません。
熊は木の実など好んで食べるので、木登りは得意中の得意です。
逆に逃げ場を失って、木の上で熊が登ってくるのを、震えて待つしかなくなります。
背中を見せて逃げるのも、やってはいけません。
熊は最高時速60キロで走れるぐらい、足の速い動物です。
しかも山道など、人間が走りづらい場所でも、高速で走れます。
どんなに足の速い人でも、追いつかれてしまいます。
まとめ
熊は山にエサがなくなると、エサを求めて人里に近づいてくる。
熊よけ鈴やラジオは、最近では効果が薄くなってきている。
熊を近づけないには、犬の鳴き声や蚊取り線香のニオイが有効。
熊と遭遇した場合は、20メートル以上距離があれば、その場から静かに離れる。
出会い頭に遭遇した場合は、大声を出したり慌てて逃げようとしてはいけない。熊の目を見て話しかけ、熊を遠ざけるようにする。
死んだふりや木に登ったり、背中を見せて逃げるなどは、やってはいけない。